各種検査

内視鏡検査以外の各種検査について

当院で行える特殊検査は下記以外にも、睡眠時無呼吸症候群や最新超音波をもちいた画像診断等、様々な検査が行えます。詳しくはお問い合わせください。

NO検査

FeNO(呼気中一酸化窒素濃度測定)検査

NO検査1 NO検査2

喘息により気管支粘膜に炎症が起きると「誘導型NO(酸化窒素)合成酵素」というNO(一酸化窒素)を作る酵素が増えます。 FeNO検査は、そこで吐いた息のNOの濃度を測ることにより気管支(気道)の炎症の程度が分かる検査です。
従来の呼吸機能検査と異なり、気管支の狭窄の有無に関わらず喘息の診断が可能となりました。「喘息ではないと思うけど咳が続くな」と言う方にも有効な検査です。

また、現在喘息の治療を行っている方にとっても治療薬効果の判断をする上でも有効な検査と言われています。以前は大掛かりな装置を必要としたのですが、検査器具の小型化が進み、当院でも2017年からこの検査が可能となりました。

検査方法

当院の検査機器は息を12秒間吐き続ける検査です。
この検査は吐き出す息の勢いを一定に保つ事が重要です。検査の前に息の吐き出し方を何回か練習して頂き、吐き出す息の勢いが安定してから検査実施になります。再現性の良い検査と言われていますが、当院では確実性を追求し、正確な診断をつける為、検査はまず2回実施させて頂いています。検査の値に再現性が無い場合はもう一度検査をさせて頂き正確な値を出すように努めています。

繰り返し起こるその咳、 実は咳喘息かもしれません。

気管支喘息は気管支(気道とも言います)の粘膜に慢性的に炎症が起こり、 粘膜の過敏性が充進し、さまざまな刺激(感染、 アレルゲン、冷気etc)によって気管支粘膜の浮腫(むくみ)、気管支の攣縮(内腔が狭くなる)が起こり苦しくなる病気です。 典型的にはヒューヒュー(喘鳴)と呼吸をする度に音が鳴り、 咳や痰を伴いながら呼吸困難を生じます。

しかし、「ヒューヒューと音がせず、咳だけの喘息(咳喘息)」が最近増加傾向にあるのをご存知でしょうか?

咳喘息(CVA, cough variant athma)とは、喘鳴や呼吸困難発作を示さず、慢性の空咳(痰を伴わない咳)だけが続く病気です。喘鳴が無く、呼吸機能も正常で、呼吸苦も無いことから気管支喘息とは区別されますが、喘息の前段階あるいは軽症型として位置づけられており、喘息に準じた治療が必要です。
咳喘息の方は喘鳴が無いため自分が喘息であるとは思わず、受診しない方も少なくはありません。治療を行わずに放置すると、約3割が喘鳴を伴う気管支喘息へ移行するといわれており、軽症のうちに診断をつけ治療することが必要です。

骨密度

骨はカルシウムなどのミネラル成分から構成されています。骨は常に吸収と形成を繰り返すといわれています。このことを骨の再構築(リモデリング)と言います。骨の吸収が骨の形成を上回ると骨は弱くなります。
骨密度とは、骨の強さやつまり具合のことを言います。骨密度の測定はX線の吸収を測定することで計算されます。

骨密度1
骨密度2

CT検査(Computed Tomography/コンピューター断層撮影法)

CT検査とは、X線を使用して、身体の中の様子をコンピューター処理して、画像として描出する検査です。検査方法には単純CTと造影CTがあります。
単純CTとは、造影剤という薬剤を使用せず、目的の部位を撮影する方法です。造影CTとは、造影剤を静脈注射し撮影する検査です。目的臓器への血流の有無を調べ、質的診断の助けとなります。また、血管の走行や、血管の病変の診断をすることができます。
最近では、画像を3Dで描出することができ、骨折した骨や関節の描出や、大腸カメラと同様の前処置をすることで、バーチャル内視鏡や、注腸検査と同じような検査を行うことができます。

CT検査
CT検査1
CT検査2

3DCT

3DCT1
3DCT2

CTC

CTC1
CTC2
CTC3

超音波検査

超音波検査
超音波

超音波検査とは超音波(耳で聞こえる音よりも周波数が高い音)を用いて体の内部を観察する検査法です。
検査方法は検査する対象臓器がある皮膚面にゼリーを塗り、プローブ(超音波を発する探触子)をあてるだけなので痛くありません。

心電図検査

心電図とは、心臓の電気的な活動の様子を記録することで、心疾患の診断に役立てるものです。

心電図検査(正常な波形)
心電図検査(不整脈の波形)

血管の動脈硬化と血管年齢

ABI検査(Ankle Brachial Pressure Index)

ABI検査1
ABI検査2

ABI検査とは足の血圧と上腕の血圧を比べる検査です。
正常な場合は足の血圧は上腕の血圧より高くなります。
足首の血圧が上腕の血圧より低い場合は下肢に動脈硬化が起こっている可能性があります。
ABI検査はこの動脈硬化の程度を数値化して表しています。
動脈硬化とは、動脈血管壁にコレステロールなどの脂質が沈着し、血管が弾力を失って内腔が狭窄している状態を言います。

  1. ベッドに寝て頂きます(上着や厚手の洋服を着ている場合は脱いでいただきます)
  2. 検査担当者が両上腕部と両足首に血圧を測るカフを巻き、手首に心電図の電極を付けます(時計は外さなくても大丈夫です)
  3. 心電図波形が安定したら検査開始です(この時両手足に巻いたカフに圧がかかってビックリされる方もいますが痛みはありませんので安心してください)
  4. 約2分程度で検査は終了します

ABI検査の測定値の標準値は0.9~1.3です。
0.9以下だと動脈が閉塞している可能性が高くなります。1.3以上だと動脈が石灰化している可能性が高くなります。

PWV検査

PWV検査とは血管の硬さを調べる検査で、脈波伝播速度検査とも言われています。
ABI検査と同時に行われているのですが、この検査は、心臓の拍動の衝撃(脈波)が、どのくらいの速さで足首まで伝わるかを測定するものです。
軟らかい血管では脈がゆっくりと伝わり、動脈硬化が進んだ硬い血管では脈は速く伝わります。この検査によって血管の老化がどのくらい進んでいるのかを示す「血管年齢」を割り出すことができるのです。
特に高血圧・糖尿病・喫煙・肥満・肥満体型・運動不足・コレステロール高値・心臓病や脳疾患などの家族歴これらの症状がある方はABI検査を受けられることをお勧めします。

階段を少し昇っただけでも息切れが起こることありませんか!

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

長期の喫煙歴があり慢性的に労作時呼吸困難があればCOPDが疑われます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれた病気の総称です。
タバコの煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露する事で肺の中の気管支に炎症がおき、咳や痰が出たり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。

また、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。COPDではこれらの変化が併存していると考えられています。

肺機能検査(呼吸機能検査)

肺機能検査(呼吸機能検査)

息切れ・呼吸が苦しい・咳が出るなどの症状には肺の病気が関係していることがあります。
肺の状態を知るための検査として、肺機能検査(スパイロメーター)があります。
肺に入り込んだ息は気管支を通過して口腔から出ていきます。
肺で息を吸った時、肺に空気が吸い込まれます。めいっぱい吸い込こんだ息をゆっくり最後まで吐き出した量が肺活量と言います。
肺機能検査では肺活量の他に努力性肺活量や努力性肺活量から導き出される1秒量、1秒率などが分かります。

肺から呼出された息の量や吐き出す勢いを調べることによって肺の状態や気管支の状態を知る事が出来ます。